金貨2って、風采の上がらないカード。
Rider Waite Tarotでは、波を背景にピエロが金貨を操ってるとこが描かれてるけど、このピエロさん、不安そうなさみしげな表情やし、衣装もなんやくたびれてるし、エンターティナーとは、到底、思われへん。
実は、ほんの駆け出しで、未熟なりに自分の芸を見せてるとこなんやって、昔、聞いたなぁ。
今流に言うなら、ミュージシャン志望の若者が、初めてストリートで演奏した時とか。
ずっと練習してきたんやし、もっと、もっと、できると思ってたんや。
そやけど、いざ、やってみると思ってるようにはいかんもんなんや。
自信があった演奏も、誰も足を止めてくれへん。
これまでの自分なりのこだわりなんて、何の意味もなかったんかもな。
今は、どうやったら人が自分の音に耳を傾けてくれるか、ばっかり考えてるなぁ。
お客さんに媚びることと、お客さんから教わるってことは、全くちゃうもんやったんやなぁ。
そのへんのことも、やってみるまで、気付かへんかったわ。
そやから、全然知らない人から拍手もらった時は、天にも昇る心地やで。
あぁ、ほんまに、おおきにってな。
そやけど、そういううれしい気持ちも一瞬のことで、あとは、目の前を人が通り過ぎて行くばかりで、自分の実力不足が身に染みて、凹みそうやわ。
でも、わかってるんや。
こうやってがんばることでしか、次の扉が開かないことも。
エースがはじまりなら、2ははじまりの次のカード。
赤ちゃんが当然のように、立つことを覚え、歩き始め、言葉を覚えるのが、金貨のエースのカードなら、
机に座って、勉強を始めるんが、金貨の2のカード。
ずっとやってみたいって思ってた習い事を始めて、教わったとおりにやってら、あっという間に上達して、ひょっとしたら才脳あるんかも、って感じてるんが、金貨のエースのカードなら、
そうは、問屋が卸さへんで、それでも、なんとかがんばり続けてるんが、金貨の2のカード。
自分の手で何かをつかまえにいく、そうして、最初の壁に出会ったことを示すカード。
その壁を乗り越えようとするカード。
道半ばの時に、すぐ結果は出えへんやろけど、ここは辛抱やって伝えてきたり
駆け出しの頃のひたむきさを思い出してみ、って言ってきたり・・・。
ほんまは、どれぐらい本気なんか、試されてるってことなんかもな。
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