ちょい意外かも知れへんけど、小アルカナで戦ってるイメージの図柄は、剣よりも棒に多いと思うで。
剣は、鍛冶屋が緻密な工程をこなして、時間を経て生み出される大きな力を秘めた結晶のようなもん。
棒は、もとは、どこにでもありそうな木の枝。誰かが、その枝を自分の物として使おうとしたら、それだけで、棒。
Rider Waite Tarotでは、棒のほとんどは、芽吹いた状態で描かれてるんや。
棒自身が、持った人の気持ちに呼応できるように、命を宿したまんまやからかもな。
これからも、持ち主といっしょに成長していけるように。
棒を手にした人の「自分はこうしたいんや」って気持ち。
生まれたてのぱっと燃える思い。
剣が持つ、炎の中で鍛えられて得られた、開放されるまではしんと落ち着いた大きなエネルギーとは違って、まだ未成熟ではあるけど。
だからこそ、てらいもなく、まっすぐに、「自分はこうしたいんや」って言えるんかもな。
棒の中でも、戦ってるってイメージが一番強いのは、棒7かいな。
棒5ちゅうのもありやけど、あっちは、同年代のもん同士で、競い合ってるようなじゃれあってるような感じやしな。
棒7の人は、大声で「自分はこうしたいんや」って言ってみたんや。
そしたら返ってきたんは、「そんなもん、あかんにきまってるやろ!」って厳しい突込み。
でっ、棒7の人は、たった一人で奮戦ちゅうや。
「あかんにきまってるやろって言われたぐらいで、引き下がれるわけないやろ」って。
ちょいと親子喧嘩みたいかなぁ。ひょっとしたら、世の中の壁と戦ってたりして。
彼は、自分の棒と一緒に、こうしたいんやって方向へ進んでいけるやろか。
世間知らずやって言われたらそうかも知れへん。
そんなに簡単に行ったら苦労ないわって言われたらそうかも知れへん。
そやけど全ては、「自分はこうしたいんや」から始まるんとちゃうやろか。
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