剣7

「そのとおり だからよけいに 腹が立ち」

昔の川柳や。
ほんま、そのとおりやって思うわ。
腹が立つんは、覚えのない悪口言われた時より、認めたくないこと、ずばって言われた時や。

人の心は摩訶不思議で、自分にとって不都合なこと受け入れへんために、一生懸命、受け入れへん理由を探そうとするやろ。

例えば、自分の仕事を引き継いだ後輩が、自分とは違うやり方で成果を上げた時、あんなやり方続けてたら、いつか、大失敗するわ、とか、思ってしもたり・・・
そやけど、その後輩は仕事熱心な上に優秀で、やり方を改良したんやって、ほんまは気づいてたりするもんや。

イソップ童話の「狐とぶどう」にも、ちょいと似てるかなぁ。

Rider Waite Tarotの剣7のカードには、そんなとこ、あるんや。
キャンプから剣を持ち出した彼は、後ろを振り返りながら、足を進めてるやろ。
進んでく方向と頭の方向=考えてることが、ちぐはぐになってるんや。

彼に、剣を持ち出した理由を尋ねたら、もっともらしい答えが返ってくるかもな。
「こんなん持ってたら、無益な争いが起るだけやろ」とか。
そやけど、ほんまはちゃうはずや。
剣をしっかり握り締めて、別に進むべきとこがあるはずや。

おっと、ここで言う「剣」は、文字どおりの「剣」やないで。
剣のカードは、強い意思をもって、決断し、前に進むカード。そやから、武器としての剣やのうて、自分の意思を表す手段、コミュニケーションなんかも意味するんやで。

ともあれ剣7は、あざむきのカード。
誰かがあんたをあざむいてるってこともあるけど、自分で自分をあざむいてるってこともあるんや。
困ったことに、自分で自分をあざむく時にも、人は、なかなか賢いんや。
そやから、このカードと縁があった時は、勇気をもって、自分の心、見つめてみてな。

ほんまのことを受け入れたくないから、自分のしてること、正当化しようとしてへんか。
嫉妬や劣等感で目がくらんで、何かから逃げてへんか。

自分の中のちぐはぐなもんを直視できたら、一番に自分がせんといかんことも見えてくるはずやで。

そやから、このカードが逆位置で出てきたら、かっこええで。
意外性のカードとも言われてるんや。
あれこれへ理屈をこねて、逃げてまうやろって思われてた人の正面きっての大奮闘にみんなびっくりや。
そういう強さは、小手先の賢さより、ずっと魅力的やで。

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