このカードも見たまんまのイメージやなぁ。いや、Rider Waite Tarotの金貨4な。
「誰にも渡すもんか!」とばかりに、金貨を抱え込んでる人が描かれてるやろ。
恋愛でお目にかかったら、まずは、独占欲やなぁ。
熱い気持ちの裏返しかも知れへんけど、こういうのんはうまいことコントロールせえへんかったら、ろくなことにならへん。
ほんまに大事なもんを手にするときは、小鳥を捕まえる時のように・・・
やさしく、しっかり、つかむんや。
間違えても、金貨4の人のように、したらあかんで。
あなたの大事な恋人にも、羽が生えてるんやで。
羽のあるもんは、羽を存分に羽ばたかせてやってこそ、なんや。
そうやって、手を放してくれた人のとこに、鳥は自分から帰ってきて、そっと肩に止まってたりするもんや。
・・・そういえば、お金(=金貨)にも、羽が生えてるなぁ。
こっちは、私の場合、なかなか帰ってけえへんけど。
私の手放し方がまずいんかなぁ。
そやけど、ほんまはいろんなもんに羽が生えてるんやで。
仕事やったら、地位とかポストとかにもな。
これでも、組織の中でお金をもらって仕事したことあるから、管理職やのに、「なんやねんこの人、月給泥棒かいな」って人に、何度も遭遇したで。
あのポストにいるわけやから、昔は、優秀で勉強家やったはずや。同期の中でもぬきんでた存在やったんやろ。
そやけど、いつの間にか、「このポストとそれに見合う賃金さえあれば、僕は万全、そんで満足」ってなんてしもたんや。
リスクのある決断から逃げるようになって、自分の知らないことに興味を持たへんから、今や、私らペーペーよりも、役にたたへん。
みんな表立っては言わへんけど、冷たい目線には、本人さんも、うすうす感づいてはるんやろ。
ほんまは、そのポストを上手く使えば、軽蔑されるようなことだけは、ないはずやのに。
恋人でもお金でも地位でも、手に入れるまでは、必死や。
そやけど、手に入れたもんを上手に手放すのんは、その100倍は難しい。
失うのは、誰だって怖いからなぁ。
「裸にて 生まれてきたに なに不足」
あの小林一茶の作らしいな。
わかっちゃいるけど、なかなかこうはなられへん。
そやからこそ、ため息まじりに、こんな句が生まれてくるんかもな。
それでも、金貨4のカードと縁があった時は、ほんの少しでええから、自分の手を開いてみてな。
手放すのは怖いけど、そうして初めて得られるもんがあるはずやからな。
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