つごもり

つごもりって、耳慣れない言葉やろけど、おおつごもり、ちゅうたら、ピンとくるかなぁ。

おおつごもりは、おおみそかで、つごもりは、月末のこと。

でな、私は、つごもりって聞くと、細い細い月が夜明け前の東の空に浮んでるのが、見えるような気がするんや。
この言葉ができた頃は、太陰暦で、月末は新月の直前のはずやからな。

東の空が白んでくるにつれて、細い月はだんだんに光を失って
やがて、夜明け前の空に、溶けるように消えていき
続いて、朝の光がやってくる

昔、昔の人は、そんな光景を見て、何を感じたんやろ。

そして、数日もしたら、日没後の西の空に、細い細い月を見ることになる。
でも、その光は、鋭く金色に輝いて、はるかに力強い。

つごもり・・・月がこもる・・・
光の弱まった月は、どこかでゆったりと休息して、新たなエネルギーを得て、生まれ変わる。

つごもり・・・なんとも素敵な言葉やなぁ。

時々、星占いでホロスコープを見て、太陽と月がくっついてる人に出会うことがある。
太陽と月のコンジャンクション・・・
星占いでは、いろいろと言うけれど、あれこれ考える前に、私のまぶたには、あの光景が浮かぶ。

そして、昔、昔、星占いが生まれた頃、
その時代の人も、やっぱり、あの風景を固唾を呑んで見守っていたのでは、と思う。
こんな空の日に生を受けた赤ん坊は、特別な物を授けられいるに違いない・・・そう、感じたのやないかと思う。

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