剣6

負けて、逃げるとこ・・・Rider Waite Tarot 剣6のイメージやな。

子連れで船に乗った女性の前には、行く手を阻むようにずぶずぶと剣が刺さってる。
目の前がふさがれてしもてる。

いや、彼女は、もう、目を開けて前を見ることもでけへんのかも。
うつむいて、目を閉じて、心の中で、じっと、祈りをささげてるんかも。

「どうか、助けてください。」

いったい彼女に、どんな悲惨なことが起きたんやろか。

たとえば、学校でいじめにあった時のよう・・・
苦しくて、つらくて、どうしたらええんかもわからへんで・・・
自分には、何の価値もないように思えて・・・

大丈夫やよ。
学校なんて、しょせん一つの世間に過ぎへん。
どないしても行かれへんようになったからって、死ななあかんようなしろもんやないで。
学校なんて行かへんでも、その気になったら、何ぼでも自分で勉強できる。
学校とちゃう世間で、もっといろんな人と知り合える。あんたのほんまの価値に気付いてくれる人とも出会える。

そやから、今は、まずは、身体と心を癒してな。
泣きたかったら、思いっきり泣いてもええで。

ええか、命は可能性や。
それが絶たれない限り、つなげていけるんや。
一番大切なもんを一つ守って、あとは、どんなぶざまでも、逃げることを選ぶんや。

絶対、大丈夫やから。

・・・そう思えるんは、、あんたが大人やからかも知れへんな。
学校だけが、自分の世界やったような時代は、すっかり昔のことになってて。

それは、剣6のカードを外側から見てるってことかもな。いや、ひょっとしたら、カードの船頭さんにも、なれるってことかもな。

水面は意外に静かで、進むにつれて、穏やかな旅になりそうやし、視界も良好やから、対岸に樹が生えてるのも見えてて、目的地は、今までいた場所より豊かな土地かも知れへん。
目の前には6本の剣がそそり立ってて、手前の水面は波立ってはいるけれど。

負けて、逃げる・・・これが大事な局面も、あるんやで。

「もう、あかん、絶体絶命や」って思ってても、そして、それがどんなに悲惨な状況で、ひどく傷ついていたとしても、学校のいじめのように、ほんまは一つの小さな世間で起きたことかも知れへんで。

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