「剣」~剣10

剣のカードって、悪いカードってイメージあるけど、それはちゃうと思うで。

だって、剣のエースは神々しい感じするし、剣のキングは4人のキングの中で一番イケメンで頼れそうやし、剣のクイーンは凛としたかっこいい大人の女性って感じするし。
まぁ、威厳はあるけど、近寄りがたいってことはあるなぁ。

剣のカードは、意思のカード。信念のカード。力を行使するカード。
自分が正しいと信じることに基づいて進んでくカード。

そやから、人を傷つけ、自分を傷つけることとも隣り合わせ。だって、正しい、ってことほど、難しいもんないからな。

「ペンは剣よりも強し」って言うやろ。
そやけど、ペンかて、タロットでいう「剣」やで。
自分が正しいって、言葉で伝えようとすることも、剣を使うことやからな。

マスコミさんは、プロとして剣を使う人たちやなぁ。
「正しいって何や」って考えようとする気持ちを忘れんといてほしいもんやで。

それとな、大きな影響力を持ってる人ほど、剣の使い方には慎重であってほしいもんや。

優位な立場にある人が、そうやない立場の人を一方的に罵倒したり、
「俺の考えが正しいに決まってるやろ」、と自説を延々と述べ、反対の意見を言う人を裏切り者とか、抵抗勢力と決め付けるような言動を取って、あげくに、不平不満を反対の意見を言う人に向くように仕向けたら、
間違った剣の使い方をしてるってことやろ。

そこまで行かへんでも、性急に結果を求めて、乱暴な剣の使い方をするだけでも、もっての他や。
「俺のこの大義のためやったら、多少のルール違反なんて、どうってことないやろ」・・・そう言って、自分のシンパを大勢引き連れて、突っ走った先には何があるんや?

はてさて、金貨10が金貨の終着点のカードなら、剣10は剣のどんづまりのカード。
自分の正しいことを追い求めるうち、道を間違えて、取り返しのつかへんとこまで、来てしもうたカード。

Rider Waite Tarotでは、身体に10本の剣を受けて、倒れてる人が描かれてるんや。
殉死って感じもするなぁ。自分が正しいと信じるもんのために、命を失ったとこな。

彼の身体に剣を突き立てたんは、誰やろ?
「俺の言うことをなんで聞き入れてくれへんねん」ってまわりに絶望した彼自身やろか
それともまわりの人たちやろか

自分の正しいことがまわりに受け入れられへんのは、なんでやろ?
自分の正しいことは、一部の立場の人にとっての正しいことでしかないからやろか
自分に力が足りないからやろか
自分の伝え方が、悪いからやろか
まわりの人の頭が固いからやろか
そしたら、頭が固いのんは、自分なんやろか、まわりなんやろか

ともあれ、このカードが出てきたら、まず間違いなく警告やで。
身近なとこでは、家族とか大事な人と、どないしても対立してまうなんて場合・・・

自分の考えで突き進んだら危ない時や。
一歩引いて、まわりの考えに耳を傾けてな。
自分の信じる正しいことは、自分で思ってるほど正しくないんかも知れへん。
間違ってるのは相手やったとしても、相手にそれをわかってもらうには、力づくでは絶対無理で、相手の立場を慮って、ゆっくり話をしていかなあかんのや。

剣10は、信念に従って行動することの難しさ、危うさを象徴するカード。
そやけど、背景には、白みつつある空が描かれてるんや。
これは、信念に従って行動することが、一方では、社会全体に恵みをもたらす可能性も持ってるからとちゃうやろか。
「それでも地球は回る」・・・自分の信念にそって生きた人が、次の時代の幕を開けてきたのも事実やろ。
「倒れる時には、前のめりでありたい」、ともな。

信念を持って生きることの難しさ、危うさとその意義と・・・これは、これからも私らが付き合っていかなあかん課題なんやろな。

うん、やっぱり、剣は、大きな力を持ってて、扱うのんが難しいもんなんや。

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