聖杯8

聖杯8って、簡単やけど、難しいカード・・・。

Rider Waite Tarot では、夜、積み重ねられた聖杯に背を向けて、道を急ぐ赤い服の人が描かれてるけど、そのまんまの意味や。

彼は、ものすご丁寧に、心を込めて、この聖杯を積み重ねてきたんや。なのに、巡り巡って、この聖杯と決別せなあかん時がやってきてしもたんや。

そやから、もう、積み重ねてきた聖杯の方、振り返るわけにはいかへん。
振り返ってしもたら、きっと、そこから一歩も動かれへんようになってまうから。
聖杯との決別は、この聖杯をいとおしんできた自分自身との決別。
断ち切れないもんを断ち切るには、ひたすら早足で、ここではないどこかを目指すしかないんや。

今は、夜明け前で、道は、まだ暗く、さみしい。
そやけど、やがて、日が昇って、あたりの景色も変わってくるやろ。・・・。

でっ、難しいんは、聖杯は何を意味してて、これからどこを目指すんやってことや。
このカードは、恋人との別れも、結婚の決意も、意味することがあるちゅう珍妙なカードやさかいな。

恋人との別れの時は、背を向けた聖杯は付き合ってきた恋人・・・目指す先は、その人が追いかける理想、あるいは、別の恋人なんかも。
結婚の決意の時は、背を向けた聖杯は楽しく気楽な独身生活・・・目指す先は、家庭を持って、新しい基盤を持つことなんかも。

そのどっちやって問われたら、周りのカードのささやきや相談者さんの話から、答えを探すしかないんやろな。

そやけど、もっと難しいんは、赤い服を着た人が、相談者さんやのうて、相談者さんの恋人やパートナーの時や。

どんなに大事に思いを積み重ねてきても、これ以上は、続けられへん。お互い、違う道を行った方がいい。
そんな局面もあることは、よう、わかってはいるんやけど。
彼が、振り向かずに、彼の道を急ぐなら、自分も、振り向かずに、自分の道を歩むしか、なんやけど。
でもな、こうやって宣告されると、やっぱりつらいな。・・・。

それと、もう一個、困るのは自分のことを占って、このカードにお目にかかった時や。

いや、だって、未来を開くために、どんな小さいことでもええから、ヒントがほしいってタロットをしたのに
今、大事にしてる何かを捨てて、新たなもんを目指さなあかんって言われても、
何かを捨てて、どこを目指したらええんか、わからへんから、ヒントがほしかったのに
 「そんなん、言わんといてや」って叫びとうなるで。

聖杯8は、ほんまやっかいなカードや。

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